行政書士と宅建、どっちが難しい?試験内容・合格率・勉強時間を比較

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「行政書士と宅建なら、どちらが難しい?」

法律系資格を調べていると、よく比較されるのがこの2つです。

どちらも受験資格が基本的になく、社会人からでも挑戦しやすい人気資格ですが、試験内容はかなり違います。

先に結論を書くと、一般的には行政書士のほうが宅建より難易度は高いと考えてよいと思います。

ただし、単純に「行政書士>宅建」で終わる話でもありません。

宅建は不動産分野を中心に知識を正確に覚える力が重要なのに対し、行政書士では民法や行政法を中心に、法律を理解して問題に当てはめる力も要求されます。

この記事では、行政書士と宅建について、試験科目、合格率、問題形式、必要な勉強量などから比較してみます。

行政書士と宅建を一覧で比較

まず、大まかな違いを表にすると次のようになります。

項目行政書士宅建
試験時期11月10月
試験時間3時間2時間
問題数60問50問
主な形式5肢択一・多肢選択・記述4肢択一
主な法律行政法・民法・憲法・商法など宅建業法・民法・法令上の制限など
合格率例年10%台前半が中心例年15~18%程度が中心
合格基準原則180/300点+足切り年度ごとに合格点が変動
難易度やや高い行政書士より取り組みやすい

令和7年度(2025年度)の行政書士試験は、50,163人が受験し、7,292人が合格。合格率は14.54%でした。

一方、令和7年度の宅建試験は245,462人が受験し、45,821人が合格。合格率は18.7%でした。

年度によって変動するので合格率だけで難易度は判断できませんが、行政書士のほうが試験範囲・問題形式ともに重いという印象があります。

行政書士試験の内容

行政書士試験は、大きく

  • 法令等
  • 基礎知識

の2つに分かれます。

法令科目では、憲法・行政法・民法・商法・会社法などが出題されます。

特に重要なのが行政法と民法です。

令和7年度試験では、法令等が46問244点、基礎知識が14問56点で、合計60問300点でした。

行政書士の特徴は、単純な択一問題だけではないことです。

5肢択一式に加え、多肢選択式、さらに40字程度で回答する記述式問題が3問あります。

記述式は3問合計60点。

300点満点のうち60点を占めるため、かなり大きいです。

私自身、行政書士試験を受けて感じたのは、単純に知識を暗記するだけでは安定しにくい試験だということです。

特に民法は、

「この場合、誰が誰に対して何を請求できるのか」

といった法律関係を整理する必要があります。

条文や判例を覚えるだけではなく、問題文から状況を読み取る力が必要になります。

行政書士には「足切り」がある

行政書士試験で注意したいのが合格基準です。

原則として、

  • 法令等:50%以上
  • 基礎知識:40%以上
  • 総合得点:60%以上

という3つをすべて満たす必要があります。

つまり、300点満点で180点を超えていても、特定分野の点数が低すぎると不合格になる可能性があります。

これは行政書士試験の難しいところの一つです。

宅建試験の内容

宅建試験は50問、すべて四肢択一式です。

試験時間は2時間。

登録講習修了者については5問が免除され、45問となります。

出題内容は大きく分けると、

  • 宅建業法
  • 権利関係
  • 法令上の制限
  • 税・その他

などです。

この中で権利関係には民法が含まれます。

そのため、

「宅建も法律の勉強をするの?」

と思う人もいるかもしれませんが、かなり勉強します。

ただ、行政書士ほど広範囲の法律を扱うわけではありません。

宅建は基本的に不動産取引を中心とした試験です。

公式にも、土地・建物の権利関係、法令上の制限、税、宅建業法などが試験範囲として示されています。

最大の違いは「試験範囲の広さ」

行政書士と宅建の難易度差で、個人的に一番大きいと思うのが試験範囲です。

宅建は、不動産という比較的明確なテーマがあります。

一方、行政書士は、

行政法
民法
憲法
商法
会社法
基礎知識

とかなり広いです。

特に行政法は、行政書士の勉強を始めるまでほとんど触れたことがない人も多いでしょう。

さらに民法もかなりのボリュームがあります。

そのため、行政書士は「一つ一つの科目は理解できても、全部仕上げるのが大変」という試験でもあります。

問題形式も行政書士のほうが難しい

宅建は四肢択一です。

最終的には4つの選択肢から1つを選べばいいので、

「これは違う」
「これは正しい」

と消去法で解ける問題もあります。

一方、行政書士では5肢択一に加えて多肢選択、記述式があります。

特に記述式は選択肢がありません。

法律知識を思い出して、自分で文章を作らなければなりません。

この差はかなり大きいです。

合格率だけを見ると意外と差が小さい

最近の数字を見ると、

行政書士:14.54%
宅建:18.7%

なので、

「意外と変わらないじゃん」

と思うかもしれません。

ただし、ここは注意が必要です。

そもそも受験者層も違いますし、行政書士には原則として固定された合格基準がある一方、宅建は年度によって合格点が変わります。

したがって、合格率だけを見て

「宅建18%、行政書士14%だから、行政書士が1.3倍難しい」

というような比較はできません。

実際に勉強する内容まで含めて考えたほうがいいでしょう。

必要な勉強時間は?

勉強時間にはかなり個人差があります。

法律を初めて勉強する人の場合、一つの目安として、

宅建:300~500時間程度

行政書士:600~1,000時間程度

と考えておくとよいでしょう。

もちろん、これは絶対的な数字ではありません。

すでに宅建や司法書士、司法試験などの勉強経験がある人なら、行政書士の勉強時間はかなり短縮できます。

逆に法律初学者の場合、民法の理解だけでもかなり時間がかかります。

私の場合も行政書士は簡単に取れたわけではなく、最終的には複数回受験して合格しました。

その経験からすると、行政書士については「○○時間勉強すれば受かる」と時間だけを目標にするより、過去問で安定して得点できる状態まで仕上げるほうが重要だと思います。

民法は両方の試験に出る

行政書士と宅建には大きな共通点があります。

それが民法です。

例えば、

  • 意思表示
  • 代理
  • 時効
  • 物権
  • 抵当権
  • 契約
  • 相続

など、重なる部分があります。

そのため、どちらか一方を取得したあと、もう一方に挑戦するのは比較的相性がいいです。

特に宅建を取得してから行政書士に進む場合、民法の基本知識を持った状態でスタートできるのはかなり有利でしょう。

ただし、行政書士では行政法が大きなウェイトを占めるため、「宅建に受かったから行政書士も少し勉強すれば受かる」というほど簡単ではありません。

初めて法律を勉強するなら宅建もおすすめ

法律資格に初めて挑戦するなら、宅建から始めるのもかなり良い選択肢だと思います。

理由は、

  • 試験範囲が行政書士より限定されている
  • すべて四肢択一
  • 民法の基礎を勉強できる
  • 資格としての知名度が高い
  • 不動産業界以外でも評価されやすい

といった点です。

宅建で法律の勉強に慣れてから行政書士に進むルートも考えられます。

行政書士がおすすめなのはこんな人

一方で、

「将来的に独立も考えたい」

「法律そのものを勉強したい」

「行政手続きや許認可業務に興味がある」

という人なら、最初から行政書士に挑戦するのもありです。

行政書士試験では行政法や民法をかなり勉強するので、その後に司法書士や司法試験など、さらに上位の法律資格を目指す場合にも勉強経験を生かせます。

私も行政書士試験の勉強を通じて、法律を体系的に勉強する面白さを感じました。

単に資格を一つ取るだけではなく、その後の法律学習にもつながりやすい資格だと思います。

結局、行政書士と宅建はどっちが難しい?

総合的には、

行政書士のほうが宅建より難しい

と考えてよいでしょう。

理由は主に、

  • 試験範囲が広い
  • 5肢択一である
  • 記述式問題がある
  • 行政法・民法の理解が必要
  • 科目ごとの足切りがある

ためです。

ただ、宅建も決して簡単な試験ではありません。

20万人以上が受験する非常にメジャーな資格試験ですが、合格できるのは受験者の2割弱です。

どちらを受けるか迷っているなら、

不動産に興味がある → 宅建

法律・許認可・独立に興味がある → 行政書士

という選び方が分かりやすいと思います。

また、将来的に両方取得したいのであれば、宅建で民法に慣れてから行政書士に進むルートもおすすめです。

行政書士と宅建は競合する資格というより、意外と相性のいい資格です。

自分が将来どんな仕事をしたいのかまで考えて選んでみるとよいでしょう。

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