危険物取扱者の中でも、すべての種類の危険物を取り扱えるのが「甲種危険物取扱者」です。
乙種や丙種は基本的に誰でも受験できますが、甲種には受験資格があります。
「大学で化学を勉強していないと受けられないの?」
「乙4を持っていれば甲種を受験できる?」
「乙種を何種類取れば甲種を受験できる?」
このあたりは少し分かりにくいところです。
この記事では、危険物甲種の受験資格について分かりやすく解説します。
危険物甲種には受験資格がある
危険物取扱者には、
- 甲種
- 乙種
- 丙種
があります。
乙種・丙種には受験資格がなく、基本的に誰でも受験できます。
一方、甲種危険物取扱者を受験するためには一定の条件を満たす必要があります。
甲種を取得すると、第1類から第6類まで、すべての種類の危険物を取り扱うことができます。
消防試験研究センターによると、甲種の受験資格には主に次のルートがあります。
危険物甲種の受験資格は主に5パターン
1.大学などで化学に関する学科・課程を卒業している
大学、短期大学、高等専門学校、専修学校などで、化学に関する学科または課程を修めて卒業した人は甲種を受験できます。
典型的なのは、
- 化学科
- 応用化学科
- 工業化学科
- 化学工学科
などです。
ただし、学科名だけで一律に判断できるとは限りません。
自分の卒業した学科が対象になるか微妙な場合は、消防試験研究センターが公開している「受験資格チェック表」を確認するのがおすすめです。
2.大学などで化学に関する科目を15単位以上取得している
化学系の学科を卒業していなくても、
大学などで「化学に関する授業科目」を15単位以上修得している
場合には甲種を受験できます。
理系の大学を卒業している人なら、この条件に該当する可能性があります。
たとえば、
- 化学
- 有機化学
- 無機化学
- 物理化学
- 分析化学
などを履修していれば、合計15単位に達していることがあります。
「自分は化学科ではないから甲種は受けられない」と思っている人でも、大学の成績証明書を確認してみる価値があります。
なお、どの授業が「化学に関する授業科目」に該当するか判断が難しい場合には、受験予定地を管轄する消防試験研究センターへの確認が確実です。
3.乙種危険物取扱者として2年以上の実務経験がある
乙種危険物取扱者免状の交付を受けたあと、
消防法令上の製造所等で2年以上、危険物取扱いの実務経験がある人
も甲種を受験できます。
たとえば乙4を取得し、その後ガソリンスタンドなどで危険物の取扱業務を2年以上行っている場合です。
ポイントは、単に乙4を取得してから2年間経過すればよいわけではないことです。
実際の危険物取扱いに関する実務経験が必要になります。
そのため、資格は持っているものの危険物を扱う仕事をしていない人の場合、このルートは利用しにくいでしょう。
4.指定された組み合わせの乙種免状を4種類以上持っている
実務経験がない人でも、乙種危険物取扱者を複数取得することで甲種の受験資格を得られます。
必要なのは、次の4グループからそれぞれ1種類以上です。
| グループ | 必要な乙種 |
|---|---|
| ① | 第1類または第6類 |
| ② | 第2類または第4類 |
| ③ | 第3類 |
| ④ | 第5類 |
つまり、最低でも乙種4種類が必要です。
たとえば、
乙1+乙4+乙3+乙5
を取得すれば、甲種の受験資格を得られます。
また、
乙6+乙4+乙3+乙5
でもOKです。
乙4を持っている人ならあと3種類
危険物取扱者で最初に乙4を取得する人はかなり多いでしょう。
乙4をすでに持っている場合、
- 乙1または乙6
- 乙3
- 乙5
を追加で取得すれば甲種を受験できます。
個人的には、このルートで甲種を目指すなら、
乙4 → 乙6 → 乙3 → 乙5 → 甲種
などが分かりやすいと思います。
ただし、「甲種を受けるためだけ」に乙種を4種類取得する場合は、試験回数も増えます。
大学で化学系の単位を取得している人なら、まず「15単位」の条件を満たしていないか確認した方が早いでしょう。
5.化学に関する修士・博士の学位を取得している
大学院で化学に関する事項を専攻し、修士または博士の学位を取得している人も甲種の受験資格があります。
大学院まで進学した理系出身者なら、この条件に該当する可能性があります。
こちらも専攻内容によって判断されるため、微妙な場合には消防試験研究センターのチェック表で確認しましょう。
乙4だけでは甲種を受験できない
ここは勘違いしやすいポイントです。
乙4を取得しただけでは、甲種の受験資格にはなりません。
乙4から甲種を目指す場合は、
- 乙種免状取得後に2年以上の実務経験を積む
- 指定された乙種を合計4グループ取得する
などの条件を満たす必要があります。
ただし、大学などで化学系科目を15単位以上取得していれば、乙種を複数取得しなくても甲種を受験できる可能性があります。
自分がどの受験資格に該当するか確認しよう
甲種の受験資格を簡単に整理すると、次のようになります。
| 条件 | 甲種受験 |
|---|---|
| 化学系学科などを卒業 | ○ |
| 化学系科目15単位以上 | ○ |
| 乙種+危険物実務経験2年以上 | ○ |
| 指定された乙種4グループ取得 | ○ |
| 化学関係の修士・博士 | ○ |
| 乙4だけ取得 | × |
理系の大学を卒業している人は、まず大学時代の履修科目を調べてみることをおすすめします。
意外と「化学15単位」の条件を満たしていることがあります。
甲種はすべての危険物を扱える
甲種危険物取扱者を取得すると、第1類から第6類まで、すべての種類の危険物を取り扱うことができます。
乙種の場合は取得した類の危険物に限定されるため、幅広い危険物を扱う職場では甲種のメリットが大きくなります。
試験は、
- 危険物に関する法令:15問
- 物理学及び化学:10問
- 危険物の性質・火災予防・消火方法:20問
の合計45問です。
試験時間は2時間30分で、各試験科目それぞれ60%以上が合格基準となっています。
まとめ|まず自分の学歴・単位を確認してみよう
危険物甲種は誰でも受験できる試験ではありません。
ただし、受験資格を得る方法はいくつかあります。
特に確認しておきたいのが、
「大学などで化学に関する科目を15単位以上取得していないか」
という点です。
理系出身者なら、化学系学科でなくても条件を満たしている可能性があります。
一方、学歴や単位による受験資格がない場合には、乙種を取得して甲種を目指す方法があります。
乙種から目指す場合は、
第1類または第6類+第2類または第4類+第3類+第5類
の4グループをそろえるのがポイントです。
すでに乙4を持っているなら、あと3種類取得すれば甲種への道が開けます。
なお、学科名や履修科目が受験資格に該当するか判断が難しいケースもあります。実際に申し込む際には、消防試験研究センターの最新の受験資格情報を確認してください。


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